ほんの一冊 | 感染地図ー歴史を変えた未知の病原体

「旅の本屋 via」がセレクトした書籍をご紹介。新刊で集めたものを中心に、ほんの一冊取り上げて、ご紹介いたします。

名探偵ジョン・スノー現る

『感染地図』は、19世紀半ばに発生したロンドンにおけるコレラ感染の原因を追った歴史ノンフィクションです。下のほうで、紹介する「はじめに」にあるように、「天賦の才を持つ二人の男」によって、それは成し遂げられました。

そのひとり、ジョン・スノーは、「疫学の父」ともいわれる人物です。

「ミステリーのような面白さ」とありますが、ジョン・スノーは、目次にもあるように、まさしく探偵のように謎を解き明かしていきました。すなわち、観察によって原因(犯人)を推定し、詳細にデータ(証拠)を集めて分析(推理)し、その因果関係(動機?)を結び付けて、原因(犯人)を突き止めていったのです。

『感染地図』の内容

新型コロナウイルスとの闘いは始まったばかりだ。
未知の伝染病と人類の闘いを歴史から学ぶ!
その後の公衆衛生という考え方を決定づけた歴史的な事件

正体不明の感染症が150年余り前のロンドンを襲った! ——次々と死んでいく住民。
感染経路と感染源を突き止める壮絶な闘いが始まる。
——後世に疫学の父と呼ばれることになるジョン・スノーがやった独創的な調査法とは?
科学と未知のコレラをめぐるスリルあふれる歴史読み物。

368ページ

『感染地図』はじめにより

はじめに

この物語には、致死的な細菌と、超成長する都市、そして天賦の才をもった二人の男という四つの主役が登場する。百五十年前のある一週間、底知れぬ恐怖と苦痛に見舞われた、ロンドンのブロード・ストリートで、この四つの主役たちは交差した。
この本はその交差のようすを、さまざまなスケールで眺めようと試みたものだ。顕微鏡でしか見えない微生物の王国から、悲劇と勇気と友情にあふれる人間界から、考え方やイデオロギーという文化の領域から、そして無秩序に広がる大都会ロンドンそのものの視点から。この本は、そうしたさまざまなベクトルの交差点が無数に存在する地図の話、知覚で把握できないことを道理で説明するために作られた地図の話である。

ジョン・スノーの手際は、のちに記述疫学、分析疫学とも呼ばれることになりますが、もうひとりの天賦の才を持つ男、副牧師のヘンリー・ホワイトヘッドとともに、現場100回ではありませんが、足を使って〝事件発生現場〟で聞き込みを繰り返し、〝犯人〟を絞り込んでいったのでした。

科学ジャーナリストの作家、スティーブ・ジョンソンによる、科学的な知見を盛り込んだ解説とともに、謎解きの一週間を追ってみてください。

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