ハロウィン 有為天変の不思議な祝祭

幻影書店街「みんなの平台」のお題は「秋」

幻影書店街の「みんなの平台」は、次の入れ替えで、ひとつのお題をもとに書店それぞれに本を一冊選んで持ち寄り、それを並べるとのこと。

初めてのお題は、「秋」。

自由に連想して、大喜利状態で本を選べばいいのですが、初めてということもあり、ストレートに受け取って、秋を連想させる書籍を一冊選びました。

「秋」の年中行事として、すっかり定着した感のある「ハロウィン」を取り上げた『ハロウィーンの文化誌』です。

『ハロウィーンの文化誌』

帯には、こうあります。

古代ケルト起源といわれる習俗がどのように世界へ広がっていったのか。
各地の伝統、仮装、儀式からテーマパークのアトラクションまで、
50点以上の図版とともに解説する。

ハロウィンの起源といわれる、アイルランドのケルトのサムハイン祭からイギリス、新大陸アメリカ、ヨーロッパ各国、中東、東アジア、南半球、中米など世界各地でのハロウィンの受容、発展と、文学や映画、アートなど芸術面での変容の過程が、およそ270ページにわたって綴られています。翻訳されている一般書では、類するものはないので、ハロウィン歴史本の決定版といっていいでしょう。

日本では、この数年、東京・渋谷のハロウィン騒ぎが報じられるようになりましたが、過去、アメリカでも悪ふざけが高じて、問題になっていたようです。ピンポンダッシュしたり、門扉を取り外したり、小麦粉を詰めたソックスを黒いコートに投げつけたり……。それに教育的指導が入り、代替として、パーティーや仮装、パレードを行ったそうです。祭りを行って、ガス抜きするのと同じですね。

そうした過程のなかで、子どもたちがお菓子をねだる「トリック・オア・トリート」も作られていったのです。

このフレーズが現在の形で使われた初期の記録はカナダ中西部アルバータ州にあり、アメリカへ南下していったといいます。もっとも、それが全国的に広まっていったのは、キャンディなどの嗜好品がいつでも手に入るようになった第二次世界大戦後のこと。小売り業界や製菓会社も参入し、それを後押ししました。

カボチャをくり抜いたランプはアメリカ生まれ

そもそもハロウィンの由来は、ケルトの宗教行事といわれます。それがカトリックと結びつき、キリスト教拡大のために取り込まれていきました。日本の神仏習合と同じです。これが、世界的に広がって各地で繰り返され、時の世相やらイメージが、ハロウィンに投影されて、地域ごとに、時代ごとに変容、進化を遂げていきます。最初はほうきに乗った魔女の姿もなく、カボチャのャック・オー・ランタンもなかったのです。

それが、東の果て、日本に伝わると、長らく浸透することはありませんでしたが、ディズニー・ハロウィーンが1997年に始まり、SNSの浸透や、渋谷での新年のカウントダウンなどが結びつき、大きな盛り上がりを見せるまでになりました。

もはや宗教的な意味合いはなく、コスプレをして、〝それらしく〟飾り付けをして、パーティーをして、というクリスマス前の秋の行事になりました。

ハロウィンをいまように大きく進展させたのはアメリカです。それが伝えられるようになったのは、1845年に始まるジャガイモ飢饉で、100万人ともいわれるアイルランド人がアメリカに渡ったことが大きいといわれます。また、魔女のイメージがハロウィンに加わるようになったのは、15世紀のペスト流行後、魔女狩りが行われるようになってからのこと。

2020年、新型コロナウイルスが世界を襲いました。
密を避け、ハロウィンは、日本で、世界各地でどのように変容していくでしょうか?

今年のハロウィンは、おうちでハロウィンの歴史をひもといてみるのはいかがでしょう。

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